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東京都千代田区の歴史
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所在地 千代田区神田駿河台1-2

   太田姫稲荷神社

古社名 一口稲荷神社

御祭神 宇迦之御魂神
     菅原道真公 
     徳川家康公

末社   金山神社 金山彦命

氏子区域  千代田区神田駿河台1、2、3、4丁目
        千代田区神田錦町1丁目、小川町2丁目



 太田姫稲荷神社は、我国の数多い神社の中でも、極めて豊かな霊験伝承と、古い由緒をもつ神社であります。
 神社に伝わる古絵巻と、『駿河台文化史』(昭和10年神田史跡研究会)によると当神社の縁起は9世紀の伝説に始まります。
 百人一首の名歌で知られる参議小野の篁(おののたかむら802-852)は、その詩才に白楽天に比せられたほどで、平安時代第一の漢詩人といわれた実在の人物です。彼は、遣唐副史にまで選ばれましたが、上司の横ぐるまに対立して讒言され隠岐に流されたことは有名な出来事です。
 絵巻物の伝承によると、承和6年(839)はじめ、篁が伯耆国(ほうきのくに=鳥取県)名和港を出航してまもなく、海上にわかに6,7丈の大波が荒狂い。雷鳴はげしく轟き、今にも海底に引込まれそうになりました。篁は衣冠を正して船のへさきに座り、普門品(ふもんぼん=観音経)を熱心に唱えていると白髪の老翁が波の上に現れて
「君は才職世にたぐいなき人であるから流罪になっても間もなく都へ呼返されるであろう。しかし疱瘡(ほうそう=天然痘=当時しばしば大流行し多くの死者が出たがその治療法がないため非常におそれられていた。)患れべば一命があぶない。われは太田姫の命である。わが像を常にまつれば、この病にかかることはないであろう。」と告げおわると八重の汐路をかきわけてかき消すように姿を消して行かれたという。とのお告げのとおり、篁は翌年はやくも都へ呼返されました。彼は自ら翁の像を刻み、常に護持していましたが、のちに、山城国(今の京都府)の南にある一口の里に神社をつくって、祝い祭ったということです。
 江戸の開祖として知られる太田資長朝臣(後の太田道灌)には最愛の姫君がいたが重い疱瘡にかかり、世にも頼りなく見えたところ、ある人が一口稲荷神社の故事を話したので急使をつかわして此の神に祈願した。使いは幾日もなくかの社から祈祷の一枝と幣をささげて帰ってきたがこの日からさしもに重かった病もぬぐうようにいえた。太田資長朝臣(後の太田道灌)は崇敬の念篤く城内本丸に一社建立した。その後太田資長朝臣(後の太田道灌)はこの社を敬拝し、またこの姫君は此の社を深く信心してつかえるようになったが、ある時この神が白狐を現して、われこの城の鬼門を守るべし、と託宣されたので、ついに鬼門に移して太田姫稲荷大明神と奉唱するようになった。今から約534年前第103代後花園天皇の長禄元年(1457)のことである。
 慶長8年(1603)8月徳川家康公が江戸城へ入られた後、慶長11年(1606)江戸城大改築を行い城内にあったこの社を西丸の鬼門にあたる神田駿河台東側の大坂に移された。ためにこの坂は一口坂(いもあらいざか、後に鈴木淡路守の屋敷ができたので淡路坂ともいう)と呼ばれた。その後、代々の将軍これを崇拝し、その修理造営は徳川家が行ない、僧職が別当となりて神明奉仕した。この社は駿河台の鎮守として数々の霊験厚く神威いちじるしきこと筆にも絵にも書きつくすことはできない。と古絵巻は伝えています。

慶応2年(1866)本郷春木町より出火、これが大火となって、御神体を除神殿、末社、宝物什器及び別当居宅などを全焼し

明治5年(1872)神社制度制定により神職司掌として神社奉仕をなす。
例祭日は毎年4月18日と定められ、後に5月15日とあれたむ。

大正12年(1923)関東大震災で類焼。御神体のみ無事に湯島天神社に避難する。

大正14年(1925)仮社殿が落成し御神体を奉安す。

昭和3年(1928)氏子各位の寄進により、本社殿、神楽殿、御水舎、神輿庫、社務所、鳥居等新築さる。

昭和6年(1931)お茶の水駅、両国駅間の総武線建設のため社地の大半を収用され、鉄道省より換地として、現在の地を神社敷地に指定、一切の建築物をそのまま移転して今日に至る。
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