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東京都千代田区の歴史
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所在地 千代田区外神田2-16-2 (神田神社)

千代田区指定有形民俗文化財
 籠祖講関係石造物群
     平成17年(2005)4月1日指定

 


 籠祖神社は、寛政7年(1796)5月に鎮座したという社伝もありち塩土翁神(しおつちおうのかみ)と猿田彦大神(さるたひこのかみ)を祭神とする神社です。現在もこの両神を職神として信仰する籠祖講の人々により、信仰されています。

 

 かつての亀井町(現在の千代田区岩本町伊1丁目と中央区小伝馬町にまたがる地域)には、神田の青物市場や日本橋の魚市場などで用いられる籠や笊などを作製する籠職人・葛籠職人たちが多く居住しており、彼らによって籠祖講は結成されました。

 

 境内には、嘉永3年(1850)から昭和36年(1961)に作製された9点の石造物(鳥居・水盤・記念碑・狛犬・常夜燈・玉垣・石標)があります。これらの石造物から、私たちは講の活動について知ることができます。
 
鳥居及び記念碑からは、嘉永3年(1850)10月に亀井町の人々により奉納された鳥居が、昭和13年(1938)9月1日の大暴風雨で倒壊し部材が破損したため、講員一同が協力して笠木及び島木を新調して再建したことが判ります。また、戦時下の空襲で本殿と玉垣が被災したため、昭和27年(1951)11月に再建されましたが、その際に関わった講の人々の名を玉垣から読み取ることができます。一方、狛犬には、昭和34年(1961)11月の銘があり、再建から10年という節目の年の記念として講が奉納したということがうかがえます。
 
千代田区内には、かつて商工業や信仰にちなむ講が数多く存在しましたが、現在ではその活動を知ることはほとんどできません。籠祖講は現在も引き続き活動を続けており、毎年11月には例大祭を執行しています。これらの石造物は、江戸時代から現在に続く商職人の講活動を物語る、区内でも希少な文化財です。
  
平成17年(2005)12月 千代田区教育委員会

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